One's Note

総論的勉強法・使用教材紹介・起案記録

本試平成30年民事訴訟法 構成メモ

 

1. 雑感

 設問1は「ロースクール演習民事訴訟法」に類題がある。が、どうも誘導がうまくない気がする。課題⑴では別訴提起と反訴提起の双方が書けてしまうところ、もし別訴提起の可否まで論じると課題⑵で何を論じるべきか分からない「行き止まり」状態になるのである。

自分はまさにそうなり、迷走した結果課題⑴で別訴提起を、課題⑵で管轄のみを論じる一番ヤバイ答案を書いてしまった(間違いなく不良に該当する)。反訴を書けていない時点でだめなので言い訳にもならないが、管轄だけで構成を絞らせるのは乱暴だと思う...。

設問2は文書提出命令であり、規範を準備していなかったので現場思考ででっちあげた。起案では求める結論に一直線に向かう形で書いてしまったが、実際には比較衡量の規範をきちんと立ててから検討すべきだった。ここも反省事項であった。復習していて再認識したが、文書提出義務の判断基準って基本的には比較衡量のようだ。連続して出題されているので、R3では出さないで欲しいところ。

設問3は補助参加の可否について問うもの。主張⑴と⑵は逆のほうが論ずべきことが明確なんじゃないかと思う。主張⑴は条文上認められないのが明らかでしょ、と思ったが、45Ⅰ但し書に該当するかを検討する形にした。主張⑵はお決まりの補助参加の利益の問題。

 

2. 構成メモ

 

【設問1】

1 課題⑴

⑴訴状の送達によりBの訴えは係属中→重複起訴該当性が問題

・当事者の同一性→明らか

・事件の同一性→訴訟物はAのBに対する不法行為に基づく損害賠償請求権のうち150万円を超える部分について共通する

⑵Aの訴えは不適法却下とも 

・しかし、債務者により債権者の権利実現を引き延ばすことを認めるのは妥当でない

→Aの訴えを適法とする構成を検討する

⑶反訴と構成すればどうか(反訴構成、別訴構成のいずれも考えることができるが、乙地裁に提起するとあるので、課題⑵と分ける観点からこちらでは反訴を検討)

・反訴要件検討→充足

・反訴は本訴と併合審理されるので重複起訴の弊害は生じない

・なお、Aの訴え提起によりBの訴えの利益が否定されるためBの訴えの利益が問題になる

→第1回口頭弁論期日前で訴訟資料がないためBに不利益とならないので、Bの訴えは不適法却下される

以上より反訴とすることで適法に提起可能

⑷ Cをも共同被告とできるか

・共同訴訟の要件(38前段)

「同一の事実上及び法律上の原因に基づく」といえるので充足

・反訴でCを被告に加えることができるか―主観的追加的併合の可否

・一般論としては否定∵併合前の訴訟資料が流用されるか明らかでなく訴訟の複雑化を招く

しかし、第1回口頭弁論期日前で訴訟資料がないので、追加しようとする被告Cにとって不利益はなく、訴訟の複雑化も生じない

→主観的追加的併合も認められると解する

→Cも共同被告とできる

2 課題⑵

⑴こちらの場合も重複起訴の問題になるが、甲地裁には反訴提起ができないため、別訴提起を適法にできる構成を検討する

⑵別訴であっても、それが不適法とされると債務者により債権者の権利実現を引き延ばすことを認めることになる

→審理重複部分は150万円を超えている部分にとどまるほか、Bの訴えにつき移送(16Ⅰ)したうえでの弁論併合をすればその弊害は生じない また、訴訟資料がない段階なので弁論併合を強制してもBに不利益は生じない

⑶ AはBとCに対する別訴を適法に提起できる

【設問2】

1 220④ハに該当するとの反論

2⑴ 規範定立(現場思考)

220④ハの趣旨は、第三者の機密情報が公にされることで第三者に不利益を及ぼし、ひいては円滑な職務執行を害することを防止する点にある

→第三者が当該文書の開示により被る不利益と開示の必要性とを比較衡量して、前者が優越する場合には、作成者の黙秘の義務が免除されていない限り当該文書はハにあたると解する

⑵あてはめ・結論

診療記録にはAに関する事項しか記載されていないところ、Aは診療記録の一部を謄写して提出しているから、文書の秘密性を放棄している→開示により被る不利益は小さい

一方で、損害賠償額を争うBとしては、自己と損害の因果関係とを把握するために診療記録を開示する必要性が大きい

また、D病院の医師について黙秘の義務が免除されたといえるか問題になるが、Aが一部の診療記録を提出していることから黙秘の義務は免除されているといえる

→ハに該当しない

→想定される反論は妥当しない

3 Dは220④で文書提出義務を負う

【設問3】

1 主張⑴の当否

⑴43Ⅱ、45Ⅰ本文より、第一審で参加していなかった者が控訴と共にする補助参加は45Ⅰ但し書に抵触しない限り出来る→但し書の意義のQ

⑵(現場思考)但し書→本文で補助参加人の独立性を定めつつ、本訴を前提として参加が認められている点では従属性をも有していることを確認する規定

そこで、但し書は訴訟経過により訴訟当事者ですらなしえなくなった訴訟行為をさすと解する

⑶ 本件では控訴期間を徒過していないので、AもCも控訴できる→但し書の場合にあたらず、控訴提起は45Ⅰ本文でできる

→Cの主張⑴は認められない

2 主張⑵の当否

⑴ 補助参加の利益についての一般論証

⑵ あてはめ

控訴審判決の主文で示されるAのCに対する損害賠償請求権の有無、及び理由中の判断におけるCの過失の有無は、BがCに対して求償権(民法442Ⅰ)を行使しうるか否かという法的地位に事実上の影響を及ぼす

→補助参加の利益を有する

⑶ Cの主張⑵は認められない

3 丙裁判所は控訴を適法と判断すべき

                                     以上