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【使用教材紹介9】呉基礎本 物権法

お久しぶりです。引っ越し作業や卒業旅行でドタバタしていたらもう2月が終わりそうですね。

本日紹介するのはこちらの教材です。

 

 

物権法 (伊藤塾呉明植基礎本シリーズ 5)

物権法 (伊藤塾呉明植基礎本シリーズ 5)

 

 


【教材利用の目的:1周目のインプット、論証の収集、二周目以降のための土台作り】

 総則に続くシリーズ。呉基礎本はここまでしか刊行されておらず、改正の絡む債権分野・家族法については他のテキストにあたるほかありません...

 総則と同様、①平易でありながら実際の論述を意識した文体を取っている点、②図表を多用しているため権利関係を視覚的に捉えられる点、③一周目に必要最小限度であり、判例通説に従った一貫した立場を身に着けられる点、④債権分野との関連もしっかり載っている点 において優れていると思います。

 特にわかりやすいのが担保物権。物上代位や根抵当、共同抵当における異時配当の処理、法定地上権といった初見殺しの分野が頻出しますが、文章と図説を丁寧に追えば苦手意識を持つことなく乗り越えることが出来ます。

 お決まりの論証パターンもついています。総則の記事でも述べましたが、とにかく「どの条文のどの文言との関係で生じる問題なのか」を意識すると変に暗記に走らなくて済みます。

 

 競合するものとしては佐久間物権や道垣内物権といった基本書が存在しますが、個人的にはこの本で早めに物権法の土台を作り、気になった部分を基本書等で修正していくことをお勧めします。確かに予備校本の正確さは基本書に劣りますが、粗削りでも一通り学習したという土台があるのとないのとでは、二周目以降・答練・過去問・基本書等の知識の吸収精度が全く変わってくるからです(基本書では土台作りに時間がかかりすぎます)。

 自分は当初この本でインプットして短答過去問を解き、出てきた知識を一元化していました。その後論文演習に移ったときは、誤った理解の修正を重点的に行い、粗削りな土台をブラッシュアップ。現在は、DK論証集にこの本で得たものを一元化しています。

                                     以上