【使用教材紹介2】シケタイ憲法
教材紹介その2は、多くの受験生が最初に触れることになる憲法の教材です。
【教材利用の目的:一周目のインプット】
いわずとしれた有名教材、「シケタイ」ですね。この本1冊で憲法を一通りインプットすることが出来ます。某塾生はこのテキストで学習することになります(私もそうです)。
書評は色々な方が書かれていると思いますので、端的に評価を述べさせてください。
分厚すぎ。独学には向かない
シケタイのほとんどに当てはまりますが、情報量が多すぎて独学が難しいです。特に憲法は改訂の度に厚くなってきており、第三版では660頁ほどにまでなっています。
内容の質・量は予備・本試・ロー入試に十分対応していますが、上記分量からすると講義を聴くのが前提になっているといわざるを得ません。
じゃあ辞書的用法はどうなのか、という話になりますが、予備校本なので辞書にするには記述が浅い。帯に短し襷に長し、との評価は免れないでしょう。
反面、記述のわかりやすさなどは流石シケタイといったところ。堅さがないので読むのに苦労しません。
一概にこき下ろすことはできませんが、現在は「基本憲法Ⅰ」などの良書が出てきているので、あえて中心教材にする必要はないでしょう。
余談:よく憲法基本書のスタンダードとして芦部憲法があげられますが、あれは最初の一冊にするには厳しいと思います。
というのは、芦部憲法はあまりにも行間が多いからです。淡白な記述の裏に重要な議論が隠れていることがしばしばあります。短答確認用には適していますが、最初のインプット教材にするのは避けるべきです。