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予備試験・司法試験教材備忘録、日ごろの勉強についての記録

【使用教材紹介10】マイナー教材?「ソクタン」民法の使い方を改めて考える

お久しぶりです。

国立でも桜がたくさん咲き、大学通りが一年で一番華やかな時期を迎えました。

 

今回の記事は、「改正民法の短答対策をしなきゃいけないけど、どの教材でやるべきか迷っている」という方に読んでいただきたいです。

 

本日紹介するのはこちらの教材です。

司法試験・予備試験 伊藤真の速習短答過去問 民法

司法試験・予備試験 伊藤真の速習短答過去問 民法

  • 発売日: 2019/10/01
  • メディア: 単行本
 

 


【教材利用の目的:年度別過去問演習の解説本】

 

 

1.マイナー教材のソクタン

 通称「ソクタン」といわれる教材で、伊藤塾が出版しているものです。しかし、短答過去問教材というとパーフェクト(通称パフェ)や肢別本が圧倒的なシェアを占めており、ソクタンを使用している受験生は周りをみてもほぼ皆無です。

 

 この教材では、本試と予備試験の短答のうち、受験生正答率が80%以上のものについてはフルスケールで・正答率60%以上のものについては「エッセンシャルノート」というまとめ形式で掲載されています。逆にいうと、それしか掲載されていません(総掲載問題数は200問もありません)。この構成が、本書の学習書としての位置づけを難しくしているように思えます。

 

 

2 なぜ自分がソクタンを選んだか

 短答対策の方法には2通りあります。①体系別のフルスケール本・肢別本を解き、過去問演習で仕上げる方法と、②年度別の過去問演習をしつつ解説をフルスケール本や肢別本で確認する方法です。

 ①は最終的な成果が大きく、王道ともいえる方法でしょう。やりきれば短答での高得点が見込め、苦手科目のカバーにも使えるようになります。余談ですが、ある先輩は肢別もパーフェクトも9割以上正解するまでやりこみ、本番では「見た事のない記述・結論は不正解とみなす」という凄まじい割り切りでほぼ満点を獲得していました。

 理論的にはスキのない方法ですが、旧司の問題など近年の出題傾向に合わないものや、事実上全く同じ知識を問うものも含まれているため、手段としては過剰な面が否めません。

 これに対し、②は1周での成長度合いよりも、繰り返しによる定着を重視します。年度別の演習であるため1回ごとに全領域を横断して復習することができ、知識のインプット・リカバリーのペースが速いのです。また、問題の重複は最小限しかなく、出題傾向から大きく外れない問題での演習が可能です。

 自分はかつて①の方法で予備の短答をなんとか突破しましたが、上記の理由から現在は②の方法をとっています。

 

 ②の方法によるとしても、本試・予備過去問全年度分を解くとなると時間は結構かかります。自分は取り急ぎ、予備のみを全年度解くことにしました。

 ①の方法を取った経験の中で、「複数の問題を解くコアとなる知識は頻出する」「10のうろ覚えより1の確実な理解」という、当然の事実に行きついていました。肢の組み合わせを答える性質上、迷いなく選ぶ・切るための知識があればよく、論文演習の時間を潰してまで全肢を完全に理解する必要はないということです。

 そこで、過去問の中でも正答率の特に高い問題・頻出の問題を重点的に演習したいと考えました。

 

この考えに一致していたのが、このソクタンというわけです。

 自分は年度毎に過去問を読み、その中でソクタンに載っている問題について解説を確認し、全年度を解き終えた後で、掲載分の中で間違えたものと、ソクタンに載っている残りの問題を解きました。いわば、ソクタンを解説本としてつまみ食い的に利用したわけです。

 

3 ソクタンの特長と注意すべき点

(1)特長

 最大の特長は「絶対に落とせない問題・知識だけ」が詰まっていることです。

 掲載問題数の少なさから、網羅性への不安や物足りなさを感じる受験生もいるかもしれません(それがシェアの低い理由だと思います)。しかし、②の方法で過去問との対応を確認すると、掲載されている問題が意外と多いことが分かります。

 民法の予備過去問については、本教材掲載分だけ正答できれば(エッセンシャルノート含む)、全年度で20点前後は取る事ができます。現実に一般教養で0点を取ることは考えにくいことからすると、本教材だけで過去問については一応の合格点に到達できるのです。本教材に載っていない問題についても、掲載されている問題に必要な知識を利用すれば解けることが多いです。

 また、①の方法でも1週間あれば1周が可能ですから、初学者にとって敷居が低いのもおススメできる点です。

 まとめると、短期間でボーダー付近まで到達するためのツールとしては最適であるということです。

(2)注意すべき点

 身もふたもない話かもしれませんが、本書だけで「満点近い高得点」を狙うことは難しいです。

 構成上、難易度の高い(正答率の低い)問題は完全に省かれています。共同抵当や多数当事者間債権債務関係、遺言の方式などについてはフルスケール問題が載っていません。殆どは条文の理解に帰着するので、素読などにより知識を補充する必要があります。

 また、年度別索引がついていないのもマイナスポイントです。他の多くの教材はついているのですが、本教材のコンセプトとの関係で省かれてしまっています。

 ②の方法による場合は、対応関係を確認するのがちょっと面倒なので、過去問を読む段階でメモするといいでしょう。予備過去問については個人的に作成した索引がありますので、質問箱等でリクエストがあればこちらで更新しようと思います。おそらく、次回の増版時で対応すると思われます。

 

 マイナーながら短期間での短答突破を可能とするポテンシャルを秘めたソクタン。本教材、過去問、六法で短答を突破できるか、身をもって確かめてみます。

 

 

                                   以上