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予備試験・司法試験教材備忘録、日ごろの勉強についての記録

論文の書き方と「ケーキの作り方」

 こんばんは。今日は一風変わったタイトルですが、友人と話していて「なるほど」と思ったので寝る前に記事に残しておこうと思います。コラム的なものですね。

 

 入門講座の一周目のインプットを終えた段階で良く抱く疑問は「どうやったら論文が書けるようになるんだろう」というものでしょう。私もそうでしたし(今もですが)、質問箱でもこの趣旨の質問が良く来ます。

 多くの合格者の方は「写経して書き方を学んだ」「まずは書いてみないと始まらない」とおっしゃっています。そして私も同じような返事をしています。

 この「まずは書いてみないと始まらない」というのに関して、友人が面白いたとえ話をしていました。それをまねて、何故「書かないと始まらない」のか少し書いてみます。

 予備の論文は、"時間内に指定されたケーキをつくれ"というイメージです。しかし、自分たちが基礎講座で学ぶのはあくまでケーキに合う材料の選び方や材料の下処理の仕方であって、ケーキの仕上げ方ではありません。なので材料の選び方だけひたすら鍛えてもケーキは作れるようにはなりません。作れるようになるには、先人がどのように材料をケーキにしていったのかを見て、それをまねて学んでいくしかないのです。

 入門講座で一通り学習を終えた後、論文演習への移行に謎の躊躇を覚えるのは、やはり「材料の準備・下処理」と「ケーキ作り」との間に乖離があるからだと思います。そもそも材料の準備の仕方を忘れたり(基礎知識が抜けたり)、論証を忘れたり(下処理の仕方を忘れたり)というのもありますが、一番大きい原因はここにあるはずです。この隙間を埋める役割を果たしてくれるのが、各予備校の論文講座のはずなのですが...

 友人は、論文講座についてこのように言っていました。

 「論文講座では、誰かが作った参考答案にマーキングし、適宜表現を修正して終わりだろ。これってケーキで例えれば『ここのイチゴが少し斜めだから直しましょう。クリームはこう絞るとよりきれいに見えますね。ここの飾り付け方は他のケーキでも使えるので参考にして下さいね』って感じじゃん。ちょっと待てと。僕らはイチゴの盛り付け順とかクリームの塗り方とかを教わってない。知りたいのは材料をどうやってケーキにしたかなんだよ。…ケーキの作成過程を実況中継してくれる、そんな先生がいれば初期で迷うことはないんだろうけどな」

 私は友人と同じく某塾の論文講座を受講していたのですが、抱いた感想はこれと同じものでした。もちろん教えてくれることは決して無駄にならないのですが、肝心の論文作成過程を教えてくれないのです。だから、論文を初めて書くときに書き方が分からず迷ってしまう。

 

 これは論文作成過程を講義として公開することが時間の制約上出来ないことも原因だと思いますが、優秀な先生方でもわかりやすく示す、というのはかなり難しいのでしょう。私の知る限り、作成過程から論文の書き方を教えてくれる予備校の先生は数人しか知りません。

 前にDK先生の論文処理手順ノートが画期的だといったのは、この論文の作成過程、つまり「ケーキの作り方」について、上位合格者の作り方を抽象化してその一例を示してくれた初の教材だったからです。今まで見様見真似で習得するしかなかったものを「教材」という形で示してくれたことで、この隙間は大分埋めやすくなったように思います。

 

 まとめると、論文を初めて書くぞという方は、以下の流れを踏めばいいのではないかなと思います。

①基礎知識・論証のインプットと論文起案とは性質を異にするものであることを意識する。インプットを完璧に近づけても論文が書けるわけではない。

②写経などを通して合格者の起案過程を追い、とにかく1通書きあげてみる(①がどういうことか理解できます)。これで「ケーキを作る」ことのイメージをつかみます。一回書ききってしまえば、論文起案への抵抗はかなり下がると思います。★DK先生の教材は文字通りマニュアルとして有用。

③色々な論文問題を通し、「この時はこういうふうに書くのか」といったレパートリーを増やしていく。作れるケーキのレパートリーを増やす感じですね。③の繰り返しの中で「論文が書ける」ようになっていくでしょう。★DK先生の教材はここでも有用です。ぶんせき本の上位合格者の答案も参考になる。

➃③まででケーキが作れるようになっても、まだケーキの形をしているだけで見栄えがいい(=高評価がもらえる)ものではありません。そこで、これ以降では細かいところを仕上げていく。この段階で、論文講座で教えられた「きれいなケーキ」を作る練習をすればいいわけです。具体的には、事実摘示と評価、言い回しなどの練習、論証のアップデートなど。

 

 ...予備論文でA無し、大半がCDという微妙な成績で不合格になった私が今思うことでした。私も精進しなければなりませんね...

                                                                         以上